【はじめに】
2025年春、私はスピード違反によって免許停止処分を受けました。それまで「自分は安全運転をしている」と信じて疑わなかった私にとって、この経験は非常に衝撃的であり、同時に交通安全に対する意識を大きく変える契機となりました。本記事では、自身の経験をもとに、交通違反や事故の現実、そして日本の交通制度に対する問題提起と提案を報告書形式で記述します。
【1. 免許停止に至るまでの経緯】
私はある平日の深夜、国道を走行中に法定速度(60km/h)を大きく超える94km/hで走行し、移動オービスによる速度超過違反となり「120日間の免許停止処分」を受けました。
参考:道路交通法 第22条「車両等の速度」
道路標識等によって指定された速度を超えてはならない。
違反の瞬間、特に急いでいたわけでも、体調が悪かったわけでもなく、単に「リモート会議間に合わせようと」という焦りが招いたものでした。
【2. 自分が事故を起こすケースの想定】
免許停止中、私はこれまで軽視していたさまざまな運転リスクを考えるようになりました。以下は、私が想定した自分が加害者になる可能性のある事故例です。
• 見通しの悪い交差点での一時不停止:交通量が少ない地域では、「止まらなくても大丈夫だろう」という慢心が生まれやすく、一時停止義務(道路交通法第43条)を怠ることがある。
• スマートフォンの操作による脇見運転:LINEの通知やナビ確認中に前方不注意になり、歩行者や自転車と接触するリスクが高まる。
• 疲労による反応遅れ:長距離運転中の集中力低下により、急な飛び出しや信号変化に対応できない可能性がある。
これらは決して特殊なケースではなく、日常に潜むリスクです。
【3. もらい事故に遭うケースの想定】
運転者がどれほど注意していても、他者の違反によって事故に巻き込まれる「もらい事故」は防ぎきれない場合があります。
• 信号無視の車との接触事故:青信号で交差点に進入した際、赤信号を無視した車に側面衝突されるケース。
• 無理な追い越しによる事故:片側一車線の道路で、後続車がセンターラインを越えて追い越し、正面衝突する。
• 後方からの追突事故:信号待ちで停車中、後続車が減速せず追突。
このような事故は、被害者にとって納得のいかない結果となることが多く、保険や法律の整備面でも課題が残るところです。
【4. 運転における性格の変化】
興味深いことに、人はハンドルを握ると性格が変わるといわれます。私自身もその例外ではありませんでした。
• 通常時:温厚で慎重
• 運転時:せっかちで攻撃的
心理的な要因としては「時間的制約」や「自己空間の強調」が挙げられます。特に都市部の渋滞時などは「自分だけが待たされている」と感じやすく、無理な車線変更やあおり運転につながりかねません。
こうした心理的変化を抑えるためには、時間に余裕を持った行動計画と、心を落ち着かせる環境(好きな音楽など)が有効です。
【5. 現在の交通事象や法整備の問題点と改善提案】
近年の交通事象や法整備には、以下のような問題点があると感じます。
問題点①:高齢ドライバーによる事故の増加
高齢者の認知機能低下による誤操作が増加しており、重大事故を引き起こしています。
改善案:
• 定期的な運転能力テストの義務化
• 公共交通網の拡充による代替手段の提供
問題点②:ながら運転の摘発が困難
スマートフォン操作中の運転は依然として多く、摘発が追いついていません。
改善案:
• ドライブレコーダーの義務化およびAIによる自動検知技術の導入
問題点③:交通違反の軽視
違反の多くが「軽い処分」で済んでおり、再犯を防げていません。
改善案:
• 点数制度の厳格化
• 初回違反でも安全運転講習の義務付け
【6. まとめ】
免許停止を受けたことにより、私は改めて「自分は加害者にも被害者にもなり得る」ことを実感しました。そして、交通安全とは単なるルールの遵守ではなく、命を守るための行動であるという認識を新たにしました。